ドローンを使った撮影が誰でもできると思われている

 

みなさんこんにちは。
関西ドローンの伊藤です。
先日、大きな撮影案件を終えて、一安心しております。
明日からは北海道でJapan Innovation Challenge
お手伝いとして参加させて頂きます。

先日の撮影で、お客様からこんなありがたい言葉を頂きました。

「いや〜やっぱりドローンの操縦、違いますね。僕らが飛ばすより全然いい画が撮れます」

恐れ多いお言葉です。まだまだ精進が足りない身なのですが、やはりこう言って頂けると嬉しいです。
しかも放送局の方に言われたので、関西ドローンは帰りの車で小躍りしていました笑

高性能なジンバルカメラが搭載されたドローンが発売されて以来、ドローンで撮影ができる!という方がかなり増えました。皆様やはりビジネスとして考えているようで、しっかり料金を取って、プロとしてやられています。

しかしここで一つ疑問が。ドローンという新しいガジェットが出てきて、誰もが空撮を楽しめる様になりました。個人でも手に入る価格で、多くの人がプロを名乗ってドローンパイロットになれる時代です。かくいう僕も、ドローンから空撮に入った層なので、あまり偉そうな事は言えません。
ここで一度、ドローンをカメラに置き換えて考えてみてください。今やかなり高性能なカメラが安価で売られていて、誰でもいい画を撮れたり、いい映像を撮ることができます。しかし、プロのカメラマンという方は必ずいらっしゃいます。彼らにカメラを持たせれば、素人との差は明確です。初めてカメラを買う人は、「今日からプロだ!」とは言わないですよね?
しかしなぜか、ドローンにおいては所有しているだけでプロだと言えてしまいます。

 

それもそのはずです。ドローン発売当初、持っている方が珍しかったので、撮影をバンバン依頼されます。ドローンを使えば、誰でもある程度簡単に綺麗な風景の映像を撮れてしまう事は言わずもがなです。しかし今はもう、それだけでは空撮案件は来ません。
今、きちんと空撮という事業を成り立たせている人と、ドローンを買ってみて空撮を始めた方では何が違うのでしょう?

ドローンを使った撮影が上手い人

では、空撮という事業を成り立たせている人=空撮が上手くそれに見合った金銭が取れる人、は何が違うのでしょうか?
今まで出会ってきた人を参考に下記に列挙してみようと思います。

①動体をしっかりと撮れる

空撮が上手い人の多くは、車やバイク、自転車などの動体をしっかりと撮影できます。ドローンと被写体の距離を正確に把握していて、被写体に合わせてスピードコントロールができる。さらに、離れた位置でドローンを飛ばしていても、動体の被写体をしっかりと追いかけられる。この技術を獲得するには、訓練が必要です。ドローンで静体(風景や建物)ばかりを撮っていても、いつまでも動体撮影は出来るようにはなりません。

 

②空撮イメージを提案できる

撮影現場において、ディレクターやお客さんが持つイメージを的確に画にすることは重要です。ドローンパイロットの場合も同じくです。ここから高度をここまで上げると、こういう画が撮れる。今は順光だからこう言った雰囲気になって、こう言う動きを加えればダイナミックに見える。そう言った提案がしっかりとできるかどうかがプロと素人の差を分けます。
例えば、撮影現場でドローンのカットがまだ決まっていないとします。撮影スケジュールも決まっていて、ドローン撮影に割り当てられている時間も限られています。他の地上撮影もその日中に行わなければなりません。そう言った状況で、「試しに一度飛ばしてみましょうか?」を何度できるでしょうか。離陸場所を決めて、ドローンを上げて、画を確認する。こう言った作業がどれほど時間のかかることか。
勿論、事前の打ち合わせやロケハンが完璧に行われていれば問題も少ないのですが、完璧な状況で挑める現場は早々ありません。
だからこそ、完成イメージを的確に想像でき、それを提案できる能力というのは必須です。

 

③カメラの知識がある

ドローンで空撮、と言ってもそれはカメラを使った撮影です。当然のことながら、カメラの知識が必要になります。適切なISO感度は?シャッター速度は?NDフィルターは?
さらに、データ形式、解像度、logの有無、fpsなど、納品時に関わる情報も知っておかなければいけません。ドローンで撮影はスマホで写真や動画を撮るのとは違います。細かい設定で全てが変わるので、必ずカメラに関連する知識は必要となります。

 

 

最後に…

色々と申し上げましたが、僕自身も最前線で活躍されているドローンパイロットに比べればまだまだ未熟な身です。日々精進を繰り返しますが、そう言った覚悟や、空撮事業を行うビジネスセンスも必要となります。これからもっと注目されるドローンを使った撮影ですが、それを生かすも殺すもセンスと努力次第です。