こんにちは。

関西ドローン 福積です。

 

本日は農業×ドローンの可能性についての記事です。

「ドローンって農業にどう活かせるのか?現状はどうなっている?」という内容で、基礎的なレベルの話をしていきます。

これを読んでいただければ、農業×ドローンの全体像が掴んでもらえるかと思います。

 

対象者は、このような方です。

・農業に携わる人でドローンを使った業務効率化に興味のある人

・ドローンに携わる人で、農業分野に興味のある人


農業×ドローンの概要

まずは概要について。

ドローンビジネスといえば、よく議題にも上がってくる農業向けの用途。

その中で、私としては、大きく2つに分類されると考えています。「農薬散布」と「IT農業」です。

 

「農薬散布」については、知っている方も多いと思います。農作物を育てるための”農薬”を、ドローンに積んで上から撒くことですね。

 

続いては、「IT農業」です。ドローンなどのIT技術を活かして、農業の効率をあげることです。ドローンのカメラや特殊なセンサーで農地を調査して、そのデータをもとに育て方を改善することなどが含まれます。

呼び方は、”精密農業”や、”ロボットによる農業改革”、など色々と呼べると思うのですが、こちらでは「IT農業」と呼びます。

 

注目されている背景

この農業×ドローンが注目されている背景とは何でしょうか?

「なんかロボットで効率化してできた白菜ってかっこよくない?」と、そんな感じでしょうか。笑

 

最も大きなの背景としては、農業に関わる人たちの人口が減っており、ひどい人手不足になっており、それの対策として注目されていることが理由です。

農地が多い地方から若者が離れていく、跡継ぎがいない、と、少子高齢化の波がダイレクトに当たっているのですね。

その少ない人手でより効率的に農業をできるようにするための、農業×ドローンというわけです。

 

そして、農業のIT化が進むことによって、副次的な効果として、「泥臭い、きつい、しんどい」などのイメージが強い農業にITが入ることによって、興味がある若者が増える、という狙いもあります。

冒頭の「なんかかっこいい白菜!」という理由もあながち間違ってはいないとは言えます。笑

農業×ドローンの2分野

では、2つの分野について具体的に説明をしていきます。

農薬散布について

ドローンによる農薬散布は、今の日本では、最近になってやっと出てき始めた分野です。

DJI社(世界最大手のドローンメーカー)の、「Agras MG-1」という農薬散布用ドローンが日本で2017年3月に販売開始となりました。

実際に見たことがありますが、とてつもなく大きかったです。10kg相当の農薬を積めるとのことで、あれだけのサイズになるのも仕方ないのですが。笑


[DJI Agras MG-1を見た際の写真@ドローンショップ仙台にて]

また、他にもいくつかのメーカーが農薬散布用のドローンを発売していますが、ドローン自体、ここ数年にでてきてた技術なので、そこまで普及しているわけではありません。

しかし、小・中規模の農地にはとても効果的だということで、農薬散布ドローンに興味を持つ人は多く、これから少しずつ増えていくと予想されています。

 

ドローンで農薬散布をする場合には、普通のドローンと違い、”免許”や特別な手続きが必要です。

具体的には、「産業用マルチローター技能認定証」と、農薬を投下することになるので、国交省地方航空局による「物件投下の申請」の取得が必要です。

取得する場合は、それなりの費用と時間が必要になります。ご興味のある方は是非調べてみてください。

 

あと、どんな農家に、農薬散布用ドローンが適切かと言うと、20ヘクタール(東京ドーム約4個)以上の農地を持つ農家が適切だと言われています。

それ以上大きいと、ラジコンヘリやセスナなどでの農薬散布の方が効率がよく、それ以下だと人間が撒いた方が効率がいい、ということです。

 

東京ドーム4個と言うと、とても広く感じますね。そんなでかい農家がどれだけいるんだ?と、疑問に思いますね。大阪近郊には中々いないことは想像できます。しかし、何も一つの農家が各々ドローンを導入する必要はありません。

例えば、農業組合や近隣農家で合わせて一つのドローンを買うということも考えられます。

ドローン自体の値段は、「Agras MG-1」で180万円ほどです。オプションをつけるとまた上がってきますが、始めるには数百万円の予算が必要です。

 

180万円というととても高く感じますが、農薬散布用ラジコンヘリは、最低でも1200万円からになります。そして、操縦もとても難しく、多くの知識と熟練の腕が必要です。

それと比べるとドローンの180万円はそこまで高くない金額ですし、操縦も簡単で一度覚えてしまえば長期にわたって使用できます。

 

以上が農薬散布用ドローンの話です。

余談ですが、「ドローンを導入したいけど、操作とか無線とか難しい!」という農家の方もいらっしゃいますので、そこはドローンパイロットのビジネスチャンスになりえるところですね。

 

IT農業について

次はIT農業についてです。

IT農業とは、例えば、農作物の発育状況をドローンによって調査したり、畑の水分量がどう推移するのかをドローンで確認したりして、よりおいしくよりたくさんの農作物を目指すことです。

 

ドローンの通常のカメラだけでもわかることがありますが、一歩進んだ調査には、マルチスペクトラムカメラと言うものも使われます。通常の色情報のR/G/Bデータだけではなく、近赤外線などの多くの情報をとれるものです。

それを使うことで、植物の活性状態、病気の有無、収穫時期の予測などがわかります。それらのデータを”見える化”して、改善に活かすことがIT農業です。

 

とは言え、現状では、始まったばかりの分野のため、実証データが溜まっていないことが課題です。データを見える化して、ビックデータを扱うことで、改善に繋がるのですが、まずは解析するためのビックデータがない、という状況ですね。

とは言え、これらはとても有益な分野なので、少しずつデータ収集やノウハウが構築されていき、進んでいくのは確実だと予測されます。

 

以上がIT農業の概要になります。

 

なかなか難しいような話になりましたが、これから始めようとするかも安心してください。IT農業にもレベルがあります。

例えば、公園やサッカーコートの芝生の育成状況を見たい、という簡単なレベルであれば、10万円程度のドローン(MavicやPhantom)でも十分に役立ちます。

まずは通常のカメラで調査するところから始めて、実証実験を重ねていき、必要に応じてグレードアップしていくのが最適化もしれませんね。


まとめ

この通り、農業×ドローンには「農薬散布」と「IT農業」があります。広い意味では「害獣対策」もこの分野に入りますが、少し毛色がかわりますので、それについてはまた次の機会に書こうと思います。

 

農業×ドローンはこれから確実に伸びていく分野です。

食料自給率の低下が叫ばれている状況ですし、日本の農業は、世界で注目されている日本食の土台を支えるものです。うまく活用されることを期待しましょう!

 

本日はこちらで以上です。