こんばんは、関西ドローンの伊藤です。今回はドローンの撮影時に、オペレーターが二人必要な理由を色んな角度からみてみようと思います。たまに、「一人でいいじゃない」と思われる方もいますので、数人体制の重要性を改めて考えます。

映像制作時、カメラマン助手がいる理由

僕は元々撮影所で働いていたのですが、そこでの撮影は個人のビデオグラファーの方が行うものよりもより組織的に、大きな予算が組まれて行われています。演者さんもいて、各部署があって。

そういった場合、撮影部にはおおよそ5人以上の人がいます。メインカメラマン、2カメ、それぞれに助手、レールやクレーンなど特機の方々。特に助手はメインカメラマンに二人ついていたりします。

これは単純に、実際にカメラを回すカメラマンが円滑に撮影できるように、例えば三脚の高さを調整したり、カメラを移動させたり、ピントを合わすために被写体との距離を測ったり、サポートをするために現場にいます。

個人のビデオグラファーの方はこれらを一人でこなしていますが(勿論現場の大きさにもよります)、記録撮影なども助手の方がつきやすいですね。簡単に言えば、撮りたいと思ったときにすぐに撮れる態勢にする為に助手がいるのです。

これは、ドローンの撮影時とは少しニュアンスが異なります。

ドローンのオペレーターは、安全の為に必要

ドローンの撮影時の場合は、助手と言うよりも周囲の安全管理の為にもう一人のオペレーターが必要になります。カメラオペレーターがいれば、合計3人以上の人材が必要となるわけです。これも現場の大きさにもよるのですが、カメラオペレーターが安全管理を兼任することもあります。

ドローンでイメージを持たれやすいのは、プロポ(送信機)を触っているのは一人なのだから、一人でいいんじゃない?ということです。確かに一人で飛ばせることは飛ばせるのですが、いざというときプロポを手放す訳にはいきません。

例えば、ドローンを珍しがって寄ってきた方や、飛行経路に人が入ってしまった場合など、そういったリスクを管理する、監視者が必要となります。基本飛行中は機体から目を離してはいけませんので、目は多いに越したことはありません。

カメラオペレーターも必ずと言っていい程必要

DJI商品の場合、Phantom系の機体はカメラを動かす範囲が上下(ティルト)しかなく、横振り(パン)をしようと思えば機体を動かすしかありません。しかしInspire系の機体の場合、カメラは360°(正確には少し狭い)自由に動かせます。

機体自体も2オペレーションに対応しているため、基本的にはカメラオペレーターが必要になります。もしいないとなると、動きのある画をパイロット自身がカメラも機体も動かして操作しなければなりません。これは結構な集中力がいるので危険です。

もし目視外の飛行許可を持っていて、障害物が何もなく、安全が確保できるのであればパイロットがモニターを見ながら機体を見ずに、そのすべての操作を行うことができますが、これにはドローンを手足のように動かせる技術と安全を担保できる状況が必要です。

カメラオペレーターも、技術が必要です。ドローンの操縦とはまた違ったカメラの操作技術が必要になってきます。安全のためにも、ちゃんとした撮影をするためにも、パイロットとカメラオペレーターの最低2人体制はマストになってくるのですね。

「1人でいいでしょ?」は事故の始まり

こういった理由で、「1人でいいでしょ」と依頼側も撮影側も軽い気持ちで挑んでしまうと、思わぬ事故を引き起こします。ドローンを見失ったり、壁に激突したり、プロポの操作を誤ったり、1人で操縦していて起こった事故の報告も多く挙げられてます。最低2人、監視者も入れて3人は現場に必要となってくるわけです。